初めての法律相談にてご留意いただくこと(弁護士角田洋輔)
「法律相談って何をやるの?」「弁護士に何を話せばいいのか分からない。」
数多くの法律事務所が開設されている現代においても、どうしても法律事務所とはハードルが高い場所、何となく足が向かない場所、であるように感じます。さらには、せっかく法律事務所に相談に行っても、結局どうすれば良いのか分からなかった、適切なアドバイスを受けられなかった、では意味がありません。
そこで、法律相談の時間を有意義なものとし、弁護士からのより良いアドバイスが可能となるべく、法律相談にて依頼者の皆様にぜひお話をしていただきたいこと、ご留意いただきたいことを弁護士の目線から、以下簡単にご紹介いたします。
①事案の概要文書の作成
事案の正確な把握は、トラブル解決に不可欠となります。
事案の概要を整理されたメモをご用意いただければ、事案の把握に大いに役立ちます。特に、ご相談内容に関する事実関係を時系列にまとめることは、とても有用です。時系列に沿った事実の整理は依頼者の皆様・弁護士双方に事案全体の整理・把握に役立ち、さらにはトラブルの根幹の発見及び解決策の模索がより容易となります。
記憶のあいまいな部分や日記や手記・書類などがお手元にない場合もあることでしょう。もちろん、詳細な記載までは必要ございません。あくまで簡単な概要のみで問題ありません。「●●年●月頃 AからBに対して●●」のような記載で十分です。手書き、PC入力も問いません。
もっとも、簡単な概要のメモでも全く問題ございません。弁護士も当然、皆様のお話を伺いながら事案整理を行います。大切なのは、皆様との記憶や記録と照らし合わせ、より正確な事案の把握を行うことです。正確な把握によって、最適な解決法の提示が可能となります。
②関係資料の保管・ご持参
資料(手紙・請求書等の書面、音声データ、メール・LINE等のやりとりなど)は、正確な事案の把握にとって大変に重要です。また、紛争が訴訟に発展する場合、それら資料はいわゆる有力な証拠となり、訴訟の行方を大きく左右します。どんなに小さな資料でも構いません。ご相談に関係しそうである資料は、できる限りお手元に保管くださいませ。
もちろん、どの資料が関係するのか、重要であるのかの把握は難しく、専門家による選定は必要となります。ご相談時にそれら資料の保管状況を伺います。また、ご相談時に資料をご持参いただくことで、事案の整理に要する時間を短縮することが可能となるので、ご相談時に可能な範囲において、資料等をご持参いただれば幸いです。
③全てをお話しいただく
依頼者の皆様には、ご自身に不利益であることをなかなか切り出せない方も多くいらっしゃいます。お気持ちはもちろん、お察しいたします。しかし、事案の全体像を正確に把握するためには、不利益となりうる事実も把握しておかなければなりません。また、紛争の相手方も当然、その不利益事実を把握していることでしょう。防御策を講じる前に、後々相手方からその不利益事実を主張され慌ててしまうことは、得策ではありません。
ご相談の段階にて、不利益内容を把握できれば防御策を熟慮することが可能となります。我々弁護士は、皆様の味方です。決して気が咎めるとお考えにならずに、法律相談の初期の段階で、ご自身に不利益だと考えている事実を含めて、全てを洗いざらいにお話しいただければ幸いです。
以上、簡単にではありますが、法律相談にて皆様にご留意していただきたいことなどをご紹介いたしました。
法律事務所や、弁護士は決して怖いものではありません。相談時に、皆様が今お抱えになっているお悩みやトラブルの内容を、どうぞリラックスしてお話しください。当事務所も、皆様がリラックスしてお話しいただけるよう、最大限の配慮をいたします。